トップ 若手芸術家 奨励制度 奨励対象⼀覧 聖チェチーリア国立アカデミー付属ユニ・オーケストラ(イタリア・ローマ)

第17回(2013年) 聖チェチーリア国立アカデミー付属ユニ・オーケストラ(イタリア・ローマ)

[ 選考担当 ] ランベルト・ディーニ国際顧問 (イタリア)

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430年の歴史を誇るローマの音楽大学、聖チェチーリア国立アカデミーのブルーノ・カーリ名誉総裁が、「音楽の未来は、新しい演奏者と新しい聴衆を育ててこそ創られる。幼少期から音楽教育を」と、2006年に創設した青少年オーケストラ。中心メンバーは12歳から19歳。恵まれない社会環境の少年少女の参加に力を入れ、奨学金も提供している。「子供達が子供達を助ける」という考えから、慈善活動にも熱心で、ローマの総合病院などの小児科病棟のためのコンサートを毎年、開催し、その収益を小児患者の治療に寄付している。「青少年による青少年のためのコンサート」で若い人へのクラシック普及も目指す。「ユニ・オーケストラ」には、4歳から6歳までと7歳から12歳までの2つの入門者コースがあり、メンバー総数は260人。児童合唱団コースと合わせると550人。若手指導のための年間予算は75万ユーロ(約9700万円)。

「ユニ・オーケストラ」は、430年の歴史を誇るローマの音楽教育機関、聖チェチーリア国立アカデミーのブルーノ・カーリ名誉総裁が、「音楽の未来は、新しい演奏者を育て、新しい聴衆を育ててこそ創られる。幼少期から音楽教育を」と、2006年に創設した。

イタリアの作曲家、ロッシーニの研究者として有名なカーリ名誉総裁は、「音楽一家だったロッシーニは6、7歳の時に家で指揮者、歌手の役を務めていた。多くの音楽家が幼少期から始めている」と語る。

「ユニ・オーケストラ」の中心メンバーは12歳から19歳。この他、入門者コースとして、4歳から6歳までと7歳から12歳までの2つのコースがあり、メンバー総数は260人、児童合唱団コースを合わせると550人を超えるという。

恵まれない社会環境の青少年の参加に力を入れ、彼らの楽器を購入し、奨学金も提供している。また、「子供たちが子供たちを助ける」という考えのもと、慈善活動にも熱心で、ローマの総合病院の小児科病棟のためのコンサートを毎年開催し、その収益を小児患者の治療に寄付している。

コンサート専門のオーケストラとしてはイタリアで最も古いといわれる聖チェチーリア国立アカデミー管弦楽団のメンバーが指導陣に加わり、活動を支援している。

「ユニ・オーケストラ」創設以来の指揮者、シモーネ・ジェヌイーニ氏によると、レパートリーはコレッリ、モーツァルト、ベートーヴェン、ビゼーからバーンスタイン、リゲティまで、三世紀をまたぐほど広範にカバーしているという。「指導する上で最も気をつけているのは、子供たちが聴くことを覚えること。聴くことが決定的な要素」と語る。

同アカデミーの本部は、イタリアの建築家、レンゾ・ピアノ(1995年世界文化賞受賞)設計による複合ホール「オーディトリウム・パルコ・デッラ・ムジカ」(2002年完成)内にあり、「ユニ・オーケストラ」もここのホールで練習を行う。

「ユニ・オーケストラ」を含む若手指導のための年間予算は75万ユーロ(9750万円)で、チケットの売り上げ、イベント出演料、宝くじ業者からの寄付で賄っている。今回の奨励金は、恵まれないメンバーの奨学金などに使うという。