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第14回(2010年) アジア ユース オーケストラ

[ 選考担当 ] 中曽根康弘国際顧問

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アジア ユース オーケストラ (AYO) は、日本、中国などアジア各国で長年、音楽教育者や指揮者などを務めていた米国人、リチャード・パンチャスが1987年、ヴァイオリン奏者兼指揮者の故ユーディ・メニューインと共に、香港実業界の支援で香港に設立した。 音楽を志すアジアの青少年にオーケストラで演奏する機会を提供し、有名アーティストとの共演やツアーを経験することを通じて、優秀な才能が育まれ、成長していくことを目的としている。

毎年、中国、台北、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなどの17歳から27歳までの若者約1000名の中から、厳しいオーディションで100名を選出。3週間にわたる香港での夏期リハーサル合宿の後、国際的に活躍する著名な指揮者やソリストと3週間のコンサート・ツアーを行っている。

 1990年の初回公演以来、昨年までに世界76の都市で307回の公演を行った。1997年には香港と北京で行われた香港返還式で、タン・ドゥン作曲の「交響曲1997天・地・人」の世界初演をヨーヨー・マと演奏。このほか、ニューヨーク・リンカーンセンター、ホワイトハウス、国連本部や、アムステルダムのコンセルトヘボウやベルリンのコンツェルトハウスなどでも演奏している。  20周年に当たる今年は、8月7日から28日まで、創立者兼芸術監督のパンチャスと英国の指揮者ジェームズ・ジャッドが率いて、深圳、香港、ソウル、北京、天津と、日本の佐賀、別府、京都、東京で公演を行った。

 パンチャスは「一年ごとにメンバーの顔ぶれは変わるが、その熱気、情熱と意欲はいつも変わらない」と、20年間の成果を強調する。

 AYOの活動資金は、シンガポール、台北、香港、中国、マレーシア、タイ、フィリピン、日本の個人や企業からの支援を受けている。卒業生は、世界各国の交響楽団などで、指揮者、室内楽奏者、あるいはソリストとして多数、活躍している。