「世界文化賞」国際顧問にキャロライン・ケネディ前駐日米国大使
前駐日米国大使のキャロライン・ケネディ氏が、「高松宮殿下記念世界文化賞」(公益財団法人 日本美術協会主催)の国際顧問に2018年11月から就任します。
アメリカの国際顧問は、2001年から元メトロポリタン美術館理事長のウィリム・ルアーズ氏 (89歳)が務めていました。ケネディ氏はその後任として、アメリカ推薦委員会を主宰し、2019年から受賞候補者の推薦を行います。ルアーズ氏は名誉顧問に就任します。
ケネディ氏は、故デイヴィッド・ロックフェラー、そのご子息のデイヴィッド・ロックフェラー・ジュニア、ルアーズの各氏に次いで、4人目のアメリカの国際顧問となります。
ケネディ氏は「国際顧問の皆様のお仲間に加わることを光栄かつ嬉しく思います。世界文化賞を通じて、世界の多様な芸術の素晴らしさに対して理解をさらに深めることを楽しみにしています」と語っています。
また、1994年から25年間にわたって国際顧問を務めています中曽根康弘氏 (100歳)は、今年末に国際顧問を退任し、名誉顧問に就任します。後任の国際顧問は未定です。
キャロライン・ケネディ氏の略歴
Caroline Kennedy (1957年11月27日生まれ、60歳)
キャロライン・ケネディ氏は、2013年11月から2017年1月まで、女性として初の駐日米国大使を務めました。大使としては、女性の経済的権限付与を支援し、日米間の交換留学生の増加に努力しました。また、「国際ポエトリー交流プロジェクト」(IPEP)を通じて、国家間の文化的な絆を強化しました。これは、文化対話の促進を目標に、ケネディ大使の呼びかけで始まったもので、ニューヨーク市、日本、韓国、フィリピンの高校生たちが詩を通して交流しています。オバマ大統領の広島訪問、安倍首相の真珠湾訪問など第2次大戦終結70周年記念で主要な役割を果たしました。沖縄県北部に位置する米国専用施設の北部訓練所の日本返還実現に尽力しました。
ケネディ氏は、法律、公民、詩など11冊の本の作家、編集者としても活動。2002年から2013年まで「ニューヨーク市公立学校基金」の副会長を務め、民間資金で、5歳児から高校までの芸術カリキュラムを初めて創設するのに貢献しました。また、「舞台芸術のためのジョン・F・ケネディ・センター」の理事を務めました。現在は、「ジョン・F・ケネディ図書館財団」の名誉理事長、米日財団の理事、アジア・ソサエティの理事を務めています。ハーバード大学で学士号(美術学)、コロンビア大学で法務博士号を取得。
国際顧問
ケネディ氏以外の国際顧問は、ランベルト・ディーニ(元イタリア首相)、クリストファー・パッテン(英オックスフォード大学名誉総長)、クラウス=ディーター・レーマン(独ゲーテ・インスティトゥート総裁)、ジャン=ピエール・ラファラン(元フランス首相)の各氏。各国際顧問の下に専門家からなる推薦委員会があり、毎年、受賞候補者を推薦します。各国際顧問はそれぞれの国で受賞者を発表します。