2006年 第10回 若手芸術家奨励制度
若手芸術家奨励制度は、日本美術協会の活動の趣旨に添い、世界文化賞の一環として、次世代を担う才能の育成を目的に、1997年発足いたしました。選考は国際顧問が順次担当し、毎年、世界文化賞の受賞者と同時に発表されます。対象となった個人、団体には、有意義な計画を実行することを条件に、奨励金500万円が贈られます。
第10回 若手芸術家奨励制度
2006 GRANT FOR YOUNG ARTISTS
ベネズエラ青少年・児童オーケストラ全国制度財団
The State Foundation for the National System of Youth and Children’s Orchestras of Venezuela (FESNOJIV)
選考:ウィリアム・ルアーズ国際顧問
Selected by International Advisor, William Luers
ベネズエラの貧困地域の子供たちをクラシック音楽の練習、演奏を通じて教育する財団で、元文化大臣のホセ・アントニオ・アブレウ博士が1975年から始めた。現在は2歳半以上の児童・青少年25万人が参加し、全国に計210のオーケストラを擁する。「音楽は不幸を希望に変え、子供を犯罪から救う」という信念の下、無償で楽器を与え、年齢や習得段階に応じて訓練する。14歳以上の優秀な子供は「ベネズエラ全国青少年管弦楽団」のメンバーとなり、住居から生活費まで提供される。世界有数の石油産出国のベネズエラは、貧困層が50%を占め、南米一の犯罪多発国でもある。しかし、この財団の子供が犯罪で逮捕されたことはないという。アルゲリッチ、アバド、ラトル、ペンデレツキ、ロストロポーヴィチら著名な音楽家もこの活動に賛同し、カラカスに出向いて指導したり、共演したりしている。同様の試みは他の中南米諸国にも広がっている。
●これまで奨励を受けた団体 Grant Recipients 1997-2005
1997 ベトナム国立ハノイ音楽院
1998 ポーランド国立映画テレビ演劇学校
1999 キューバ国立芸術大学
2000 北アイルランド・アルスター青少年オーケストラ
2001 フランス・若手映画監督研修塾「レジデンス」
2002 欧州連合青少年オーケストラ
2003 デ・ソーノ音楽協会、イタリア
2004 中央ヨーロッパ青少年サウンド・フォーラム
2005 草津夏期国際音楽アカデミー