第27回
2015年
演劇・映像部門
Sylvie Guillem
シルヴィ・ギエム
100年に一人と称される世界最高のバレリーナ。12歳のとき、体操競技で五輪国内予選を通過したが、パリ・オペラ座バレエ学校で学んだのをきっかけにバレエに転向。1981年、オペラ座に入団し、1984年、19歳の若さで最高位のエトワールに昇進した。柔軟かつ強靱な肉体と美しい脚線、豊かな表現力で従来の女性ダンサーのイメージを一新、完璧な「6時のポーズ」(180度開脚)の先駆者でもある。十八番は『白鳥の湖』『ドン・キホーテ』『ジゼル』など。1989年、英国のロイヤル・バレエ団に移籍し、世界的な活動を開始。伝統に縛られない演技を貫き通し、ここ10年ほどはコンテンポラリー・ダンスにも取り組んでいる。来日30回以上という大の親日家で、2011年の東日本大震災時には被災者のためにチャリティー公演を実施。今年いっぱいでの引退を表明し、12月の最後の公演は日本で行う予定。
略歴
100年に一人と称される世界最高のバレリーナ。柔軟かつ強靱な肉体と美しい脚線、そして豊かな表現力で、「男性ダンサーの支えが欠かせない」という従来の女性ダンサーのイメージを一新した。つま先立ちの完璧な「6時のポーズ」(180度開脚)を最初にやったのも彼女である。
しかし本人には、「女性ダンサーに対する世間の認識を変えてやろう」という意識はなかった。「舞台に立てるだけで幸せ。自分の演技を観客のみなさんと同時に発見するのが楽しかったのです。毎回が旅でした」と振り返る。伝統に縛られない、「観客本位」という考え方が芯にあるようだ。
12歳のとき、体操競技でオリンピック国内予選を通過したが、パリ・オペラ座バレエ学校で研修を受けたのをきっかけにバレエに転向。1981年にオペラ座へ入団、1984年、当時の芸術監督だったルドルフ・ヌレエフに見いだされ、19歳の若さで最高位のエトワールに昇進を遂げた。
代名詞となった『白鳥の湖』『ドン・キホーテ』『ジゼル』などで、スポーツ選手としても世界レベルという身体能力の高さが、男性の支えなしに自分の美的感覚に基づく踊りを追求することを可能にした。こうして、伝統の中から余分なものをそぎ落とし、自分が表現したいものを凝縮していったのだ。
そして、観客本位の考え方。「私にとって重要なのは、観客のみなさんに理解してもらえるよう、わかりやすい踊りをすること。ストーリーを語りたかったのです」。だから、できあがったものをそのまま演じることをよしとせず、従来の動きや作法よりも、自分の身体と登場人物に合った振付を重視した。
「普段の過酷なレッスンも公演の準備も、すべては私の公演を観るためにチケットを買ってくれる観客の皆さんのため。ダンスは私から観客への贈り物なのです」
1989年、英国のロイヤル・バレエ団に移籍し、世界的な活動を展開。モーリス・ベジャール、ウィリアム・フォーサイス、マッツ・エックら著名振付家と積極的に共演し、ここ10年ほどはコンテンポラリー・ダンスにも取り組んでいる。
30回以上も来日している親日家で、「洗練され、簡素な日本文化が好き」という。2011年の東日本大震災時には、被災者のためにチャリティー公演を行った。「私に唯一できることは、困っている方たちのために踊って支援資金を得ることでした」
すでに今年いっぱいでの引退を表明しているが、12月の最後の公演はその「大好きな日本」で行う予定だ。
略歴 年表
ロベール・ルパージュ、ラッセル・マリファントと『エオンナガタ』
東日本大震災のチャリティ・ガラ・コンサート「HOPE JAPAN」を開催
世界各国で「さよなら公演」(日本では12月9日から30日)
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サドラーズ・ウェルズ劇場のロビーにて
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『聖なる怪物たち』
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『ボレロ』
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『アジュー』
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『カルメン』
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サドラーズ・ウェルズ劇場のロビーにて