第17回
2005年
演劇・映像部門
Merce Cunningham
マース・カニングハム
振付師、舞踊家とし、舞台芸術界に多大な影響を与えてきた。マーサ・グラハムの舞踊団を経て、ジョン・ケージとの出会いから独自の道へ。舞踊と音楽を「同じ時間を共有しつつ、別の行為として提示すること」を模索した。ロバート・ラウシェンバーグやアンディ・ウォーホルらとのコラボレーションのほか、「シナリオ」ではコム・デ・ギャルソンの川久保玲ともジョイント。サイコロの目やコインの表裏による「偶然性」の手法も採用、作品の構成や動きから音楽、衣装、照明の組み合わせも決める。振り付けにはコンピューターの三次元ソフトを利用、「人体の限界のなかでも、やれることは無限にあり、追求したい」と、盛んな創作意欲をみせる。
略歴
性差すらも超え、人体そのものの動きを抽出してみせるマース・カニングハム。振付師、舞踊家として、舞台芸術界に多大な影響を与えた。多彩なアーティストとの交流やコラボレーションを通じた芸術全般への貢献は計り知れない。
1939年にマーサ・グラハムと出会い、舞踊団に参加。花形として活躍するが、ジョン・ケージとの出会いにより、独自の道へと進んでゆく。ケージとは1944年、初のコラボレーションを行い、これが一大転機となった。
「舞踊と音楽を、同じ時間を共有しつつ、別の行為として提示する。異なった二つの動きが同時に進行することで、シナジー効果が生まれる」
その後、ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズ、フランク・ステラ、イサム・ノグチ、アンディ・ウォーホルらとコラボレーション。1997年の「シナリオ」では、コム・デ・ギャルソンのデザイナー、川久保玲がコスチューム、舞台デザイン、照明を担当した。
こうしたコラボレーションを通じて、音楽、美術、そしてダンスによる静謐(せいひつ)の世界を創造していった。
また、舞踊に「偶然性」を取り入れようと、サイコロの目やコインの表裏によって、作品の構成、動きはもちろん、音楽、衣装、照明などの組み合わせも決めるという、実験的な試み「チャンス・オペレーション」を実践した。
「チャンス・オペレーションは、往々にして、人間には不可能なことをもたらすが、それを試みることによって、新しいものを生み出す機会となる」と言う。
積極的に先進技術を取り入れ、振り付けにコンピューターの三次元ソフトを使う。画面上では人体に不可能な動きも表現できる。「テクノロジーは新しい扉を開けてくれる。人体の限界のなかでも、やれることは無限にあるのです」と、その可能性を追求し続けている。
2009年1月13日、ニューヨークにて逝去
略歴 年表
8歳からダンスを始める
在学中にジョン・ケージと出会う
グラハムと出会う
秋にはグラハム舞踊団に入団(-1946)、ソリストとして活躍
ニューヨークで最初のジョイント・コンサートを開催
「四季」を創作
その他、受賞多数
翌年、日本公演
新作を上演
フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章オフィシエ章
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ニューヨークのスタジオで
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ニューヨークのスタジオで
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チェンジリング、1956
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左からジョン・ケージ、カニングハム、ロバート・ラウシェンバーグ、1964
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レインフォレスト、1969
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インタースケープ、 2000