第33回
2022年
音楽部門
Krystian Zimerman
クリスチャン・ツィメルマン
ポーランド出身。7歳から本格的にピアノを学び、18歳で「ショパン国際ピアノコンクール」で優勝。翌年、レコード・デビューして以降、ヘルベルト・フォン・カラヤン、小澤征爾ら多くの巨匠と共演。指揮者で作曲家のレナード・バーンスタインとは15年以上にわたる交流があった。ショパン没後150周年(1999年)の前年には、ポーランド出身の音楽家で編成した「ポーランド祝祭管弦楽団」を結成。ベートーヴェン生誕250周年(2020年)には、この楽聖のピアノ協奏曲を全曲再録音した。1978年以来、たびたび来日し、2021年12月のサントリーホールにおける公演が日本での275回目の公演となった。2003年には東京にも自宅を構えたほどの親日家。「ピアニストは楽器に興味をもつべきだ」が持論。自ら調律し、組み立てるなどピアノのメカニズムや音響学に精通し、作品解釈を極めることが、精緻で繊細な演奏を支えている。
略歴
ピアノという楽器を熟知した、緻密で完璧な演奏により、多くの巨匠たちと共演してきた現代最高峰のピアニスト。
ポーランド生まれ。音楽家だった父親が友人らと毎晩、音楽に興じるのを聴いて育った。5歳からピアノの手ほどきを受け、「6歳の頃、テレビで自作曲を披露したこともあった」という。7歳でポーランドのピアニスト、アンジェイ・ヤシンスキに師事し、本格的に音楽を学んだ。
1975年、弱冠18歳で由緒ある「ショパン国際ピアノコンクール」で優勝。「いまだに信じられない」と振り返る。
翌年、名門レーベル「ドイツ・グラモフォン」からレコード・デビューを果たし、ヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタイン、小澤征爾ら多くの巨匠と共にすばらしい音楽を作り上げてきた。
「人生で出会ったもっとも興味深い音楽家」と評する指揮者で作曲家のバーンスタインとは15年以上にわたり、たびたび共演。2018年のバーンスタイン生誕100周年の際、彼の交響曲第2番『不安の時代』を世界の主要都市で演奏。これは、「100歳の誕生日に一緒に演奏してほしい」というバーンスタインの“願い”をかなえたものだった。
ショパン没後150周年(1999年)の前年には、ポーランド出身の音楽家で編成した「ポーランド祝祭管弦楽団」を結成するなど、ショパンのピアノ協奏曲の公演を精力的に行った。
また、ベートーヴェン生誕250周年の2020年には、指揮者のサイモン・ラトルと共に、この楽聖のピアノ協奏曲を全曲再録音した。
「他人を評価することはできない」と、コンクールの審査員は固辞。ただ、ショパン国際ピアノコンクールでは、2010年からソナタ最優秀演奏賞(ツィメルマン賞)のプレゼンターを務めている。
1981年の戒厳令の発令に伴い、故郷を離れ、スイスへ。1978年以来、たびたび来日し、日本公演は250回を超える。大の親日家で、「互いを尊重し、共に生きる日本の社会は、世界ではまれな存在。日本に最大の敬意を払う」と話し、2003年、東京にも自宅を構えた。
「ピアニストは楽器に興味をもつべきだ」が持論。自ら調律し、組み立てるなどピアノのメカニズムや音響学に精通し、これが精緻で繊細な演奏を支える。「ピアノが大好き。健康が許す限り、音楽を続けたい」と、意欲的に世界を飛び回っている。
略歴 年表
カロル・シマノフスキ音楽院でアンジェイ・ヤシンスキに師事
ストラヴィンスキー:バレエ『結婚』をレナード・バーンスタインと録音
指揮者としてパドヴァ・ヴェネト管弦楽団とイタリア10都市にて公演
小澤征爾指揮でラフマニノフの録音
カロル・シマノフスキ音楽院名誉博士
ショパン国際ピアノコンクール「ソナタ賞」プレゼンター
国際現代音楽祭「ワルシャワの秋」
熊本地震復興祈念特別演奏会の出演料を寄付
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クリスチャン・ツィメルマン
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愛用のピアノと バーゼルにて 2022年
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愛用のピアノと バーゼルにて 2022年
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愛用のピアノと バーゼルにて 2022年
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レナード・バーンスタインと 1983年
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子供たちと 1986年