ソフィア・ローレン

Sophia Loren

プロフィール

「イタリアの太陽」とたたえられる美貌と、圧倒的存在感を保ち続けるイタリアを代表する女優。100本超の出演作でケーリー・グラントらそうそうたる俳優と共演。昨年の『NINE』でも、知性で磨き上げた美しさと変わらぬオーラでファンを魅了した。長年の映画界への貢献は、1991年のアカデミー賞名誉賞でも称賛されている。14歳で女優の道を志し、夫となるプロデューサー、カルロ・ポンティに見いだされて飛躍。ネオ・レアリスモ映画を代表するヴィットリオ・デ・シーカ監督の『ふたりの女』(1960)でイタリア人女優初のアカデミー賞を受賞。さらにマルチェロ・マストロヤンニと共演した『ひまわり』(1970)、『特別な一日』(1977)などで演技派女優として確固たる地位を築いた。100本目の出演作『微笑みに出逢う街角』(2002)の監督は二男、エドアルド・ポンティ。また、長男は指揮者のカルロ・ポンティ・ジュニア。

詳しく

 
「イタリアの太陽」とたたえられる野性的な美貌と、圧倒的な存在感を保ち続けるイタリアを代表する女優。若くして米国ハリウッドに進出し、『ふたりの女』(1960)でアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した時はわずか27歳だった。イタリア人女優初のオスカーを「私の人生の中で最高の思い出」と振り返る。
グレゴリー・ペック、クラーク・ゲーブル、ケーリー・グラント…。彼女が出演した100本超の映画の共演者を並べれば、そのまま20世紀の映画スター史である。そして特筆すべきは今も、知性と貫禄で美しさを磨き上げ、円熟した演技力で映画に主演し続けていることだ。
2009年も『NINE』に出演し、今なお変わらぬオーラを放ってファンを喜ばせた。長年にわたる映画界への貢献は、1991年のアカデミー賞名誉賞でも「世界映画の宝」と称賛されている。
1934年、ローマで母子家庭に生まれる。生後まもなく南部ポッツォーリに移り、貧しさと戦争をくぐり抜けながら成長。14歳で美人コンテストの最終審査に残ったことがきっかけで、ローマの俳優学校で学んだ。
女優としてのスタートは映画『クオ・ヴァディス』(1951)の端役。しかし、後に夫となって公私ともに彼女を支えることになるプロデューサー、カルロ・ポンティに潜在能力を見いだされたことで、女優として大きく飛躍する。
中でもネオ・レアリスモ映画を代表する映画監督、ヴィットリオ・デ・シーカとの出会いは、『ふたりの女』のアカデミー賞受賞に結実。演技派女優として脱皮し、最高の相手役となる俳優、マルチェロ・マストロヤンニも加わって黄金期を迎えた。マストロヤンニとは20年以上、14作品で共演し、コメディー『昨日・今日・明日』(1963)、『ああ結婚』(1964)、戦争で記憶を失った夫とすれ違う悲劇を描いた名作『ひまわり』(1970)や『特別な一日』(1977)などが生まれた。
「女優はドラマチックな映画も、コメディーも演じられなくてはならない」との信念を持ち、現在も「シナリオを読んで感動するもの、自分が演じなければと感じるもの」を基準に作品を選んで、映画とかかわり続ける。
ポンティとの間に、指揮者のカルロ・ポンティ・ジュニアと映画台本作家兼監督のエドアルド・ポンティの二人の息子がおり、100本目の出演作『微笑みに出逢う街角』(2002)の監督はエドアルド・ポンティである。

略歴


1934

イタリア・ローマ生まれ。母の故郷ナポリ郊外ポッツォーリで育つ

1949
ナポリの海の女王コンテストで最終審査に残り、映画界に入るきっかけとなる

1951
『クオ・ヴァディス』のエキストラに選ばれ、女優をスタート
プロデューサーのカルロ・ポンティと出会い、演技の基礎を学ぶ

1953
『海底のアフリカ』で主演し、スターへの道を開く

1954
マルチェロ・マストロヤンニと初めて共演

1955
『河の女』で脚光を浴びる

1957
ハリウッドに進出、ケーリー・グラントやフランク・シナトラと共演する
ポンティと結婚(1962年に無効、1966年に正式成立)

1958
『黒い蘭』でヴェネツィア国際映画祭最優秀女優賞

1961
『ふたりの女』(1960)でカンヌ国際映画祭最優秀女優賞
『ふたりの女』でアカデミー賞最優秀主演女優賞

1970

『ひまわり』

1977
『特別な一日』

1991

アカデミー賞名誉賞

フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章


1998
ヴェネツィア国際映画祭で功労賞

2001
モントリオール国際映画祭で特別賞

2002
息子エドアルド・ポンティの長編監督第一号『微笑みに出逢う街角』で主演。100本目の作品となる

2007
第2回ローマ国際映画祭で生涯功労賞

2009
『NINE』に出演

2010
『ソフィア・ローレン母の愛』で自分の母親役を演じる